~腹八分目で、腹六分目で終わりにしよう。~
人って、がんばれる生き物。
「がんばる」っていうけれど、
何に対してがんばるの?
がんばってないから、がんばるの?
がんばっているけれど、
もっとがんばれる自分に期待をしてがんばるの?
他にもっとできている人がいて、
その人と比べて自分はできてないからがんばるの?
がんばるって、何に対しても使える言葉だ。
マラソン大会で、「がんばれー!」って声援されると、
嬉しくてモチベーションが上がって、
速いタイムが出ることもある。
仕事で辛い時に、漠然と「がんばっていこう!」
と言われても、これ以上、辛い想いをしないとならないのかと
絶望するかもしれない。
もし、仕事が辛くて心が病んでいる場合、
心療内科に通うことができる。
保健師や産業医に相談することもできる。
同僚や上司に相談することもできる。
それにより改善すればいいが、
どうにもならないケースもある。
もしかしたら、仕事をしばらく休んだり、
仕事を辞めることが、
その人にとっての最適な改善策なのかもしれない。
いずれにしても、
これ以上、仕事を続けていては、
いつか体を壊してしまう危険な状態である。
ドクターストップはかかってはいないので、
自分の意志で休職や退職を申し出る必要がある。
そんな時、自分だったら、どうするだろうか?
朝になり、いつものように心臓が痛く、
仕事に行きたくない。
このまま休んで、休職を願い出ようか?
でも、がんばれば出勤できるかな?
出社しちゃえば、その勢いで何とかなるかな?
倒れない限り、出社することはできるんだよなぁ。
這ってでも行くこともできるっちゃできる。
・・・・・・・。
こんな心の葛藤が起こる。
仕事で倒れて入院してのような、
「決定打」となるパターンは少なく、
コップに水が満杯に注がれて、
いつか滝のように溢れ出すパターンの方が
多いのかもしれない。
しかも、そのコップときたら、
ずいぶん前から、満杯になっているのに、
いい塩梅でしぶとく溢れずに保ち続けている。
なんていうか、限界が来てるはずなのに、
「まだ、がんばれる隙がある」
そんな気がして、
また今日もがんばってできたのくり返しである。
「腹八分目」という言葉がある。
お腹いっぱいまで食べなくても、
食卓にある料理を無理して全て食べ尽くさなくても、
「ごちそうさま」はできるんだ。
「腹六分目」だっていい。
お腹いっぱいが限界のラインとは限らないのだから。
「無理しないで。」
「ダメだったら辞めていいよ。」
そんな言葉を人にかけることもあるけど、
いざ自分がその時になったら。
もし、今日が、がんばるか辞めるかで
悩んでいたとしたら、
それは心の葛藤である。
「がんばれば、できるっちゃできるんだけど…。」
そんな自問自答がつきまとう。
そこを甘えとか、がんばりが足りないとか、
自分自身を責めないでほしい。
今が腹八分目の状態なのだから、
もう十分限界は来ています。
そもそも限界のラインってのは、
お腹いっぱいの状態とは限らないから。
腹六分目でもいい。
人それぞれなんだから。
決定打がなくても、
自分の意志で決定すればいいんだよ。
「自分の心身が健康に過ごせるか?」
このことだけを考えればいい。
「どの状態が限界ラインか?」
なんて、どうでもいい。
いくら平均寿命が延びたからってさ、
時間には限りがあるんだから、
辛いことばかりに時間を浪費していないで、
笑って過ごせる時間を大切にしてほしい。
腹八分目になったら、
ごちそうさまをして、
席を立って、
笑っていられるお気に入りの場所に行こう。