自転車はスピードがあるから安定して前に進める。
自転車のペダルを漕ぐとバランスが安定し、前に進んでいける。
漕ぎ始めは不安定だが、スピードが出てくると安定するのだ。
また、ペダルを漕ぐのを止めると、減速していき、不安定になってくる。
やがて、自転車が止まるに近づくにつれて、自分の足で支えないと自転車は転倒してしまう。
日々の生活もペダルを漕いで「今」を維持している。
日々の生活も、自転車のペダルに例えることができる。
ペダルを漕いでスピードが出て安定し、ペダルを漕ぎ続けているからこそ安定して前に進んで行ける。
今日もペダルを漕いでいるから、仕事や家庭、人脈など、今の状態を維持することができるのだ。
ペダルを漕ぐのを止めて、減速し続けるといずれは自転車は止まる。
止まる前に不安定になって転倒する。
そうすると、何かを失ったり、また立ち直るのに大きなエネルギーや時間がかかることもある。
それが怖いから、ペダルを毎日漕ぎ続けている。
現状を手放すのが怖いから現状維持をするべく、ペダルを毎日漕ぎ続けている。
1日たりとも、一瞬たりとも、ペダルを漕ぐのを止めることができない人もいる。
ペダルを漕がなくても、しばらくは安定している。
でも、ペダルを漕ぐのを止めても、しばらくは安定している。
ペダルを漕がなくても、車輪は転がったまま進んでいくのだ。
自転車のスピードによって、安定していられる時間も距離も変わってくる。
また、下り坂だったら、ペダルを漕がなくても、ある程度のスピードで進んでいられる。
人は、この「ペダルを漕がなくてもしばらくは安定しているから大丈夫」ということを見落としてしまいがちである。
ちょっとでもペダルを漕ぐのを止めたらすぐに転倒してしまうような、すぐダメになるような気がしてしまうのだ。
たしかに、「ちょっとくらいならいいか!」をくり返しやっていたら、いずれは転倒してしまうだろう。
だが、ある程度のスピードがあったり、下り坂であったりすれば、ペダルを漕ぐのを止めても、比較的長い時間と距離を安定して進んでいられる。
高スピードや下り坂のような、ペダルを漕ぐのを止める「止め時」を見極めることができれば、
止めたい時に安心して安定して止められたら、人はだいぶ楽に生活していけるだろう。
ペダルを漕ぎ続けることが目的にならないように、時にはペダルを漕ぐのを止めて、周りの景色を眺めてみよう。
自分にとってのよりよい人生を送るヒントが、そこにはあるのかもしれない。