虹を見ると時を忘れる。
※この記事は物語を書いています。
【登場人物】
•ほわ:普段はほんわかした性格であり、
時にはネガティブになることもある。
パートナーのぽじの斜め上をいった言動に
困惑したり反発することもある。
•ぽじ:ほわのパートナー。楽観的な性格で、
物事をポジティブに解釈する。
言動がぶっとんでるように
思えることも多いが、
実は、緻密な考察をしているのかも?
タイトル【虹】
ほわ「明日、月曜だね…。
笑点始まった時点ですでに鬱だわ。」
ぽじ「ずいぶんおもしろい発言をするねぇ。
笑点見て笑顔になれるのに、
どうして鬱になるの?」
ほわ「明日から1週間仕事かぁって思うと
気持ちが落ち込むに決まってるでしょ!!
既に仕事の事考えちゃってるし…。」
ぽじ「なんだなんだ?!
曜日によって気持ちの浮き沈みが
あるんかい?!
でも、見方を変えれば、
1週間で7色の心が出てくるんだから、
心が虹色に輝いててすごいじゃん!!」
ほわ「………。バカにしてるでしょ!!
鬱だって言ってるのに
どこが輝いているのよ!!
もう帰るわ…。
明日に備えて早めに寝るわ。」
ぽじ「虹って朝・昼・夕方の
いつ見れるか知ってるー??
答えは昼!
だって、1時2時の2時(にじ)に
虹(にじ)は見えるからねー。ふふふ。」
ほわ「(完全無視して)さてと、かーえろ!」
ぽじ「ちょっと待って。
本当に虹が見れるのは、
雨上がりで太陽が出ている時に、
太陽の反対側の空で見れるんだ。
虹が見れて嬉しい気持ちになっている時、
人は太陽に背を向けている。
でもそれって、時間の流れの基準となる
太陽から目をそらしたからこそ
見えた幸せなんじゃないかな?!」
ほわ「………???何が言いたいの?!」
ぽじ「俺だって時の流れの中で
気分の浮き沈みがある。
でも、この時の流れから外れたというか、
時間が止まっているような感覚に
襲われる時があるんだ。
まるで、太陽に背を向けたからこそ
見れた虹を眺めているように、
嬉しく、愛おしくなるんだ。
このまま時間が止まればいいのに、
幸せな時間はこんなにも短く感じる。
だからこそ、こんなにも短い時間を
何百回も何千回も、
1回でも多く作っていきたい。
どんなに気持ちが沈んで、
現実から目をそらしても、
俺の事から、俺達の人生の事から、
目をそらさないでほしい。」
ほわ「え………?!それって、まさか??!」
ぽじ「7色に輝かなくても、
俺達の2つの色がずっと輝ける人生に
してあげるからね。」
ほわ(こんなプロポーズのしかたが
あっただなんて!)
【さいごに】
日曜日の夜、明日から1週間の仕事が
始まると思うと、
多くの人は心が落ち込みがちにる。
土日にお出かけして楽しい思い出を
つくれたのに、
日曜日の夜はその楽しさを
打ち消すかのように憂鬱になる。
人は多かれ少なかれ、気分の波がある。
好きな人の前では絶好調の自分を
見てもらいたいけど、
時には落ち込む夜もある。
好きな人が落ち込んだりネガティブな時、
ありのままを受け止めてあげよう。
そうすれば、心の浮き沈みでできた
水紋が広がっていき、
パートナーの心にたどり着き、
2人の居場所がやすらぎになる。
2人で虹を見て、嬉しくて楽しくなる。
そんな2人なら冷たい雨にも
乗り越えていけるはず。
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