原稿だけ見ると、
聞く人との温度差に気づかない?
人前で話す。
これが得意な人もいれば、
苦手な人もいる。
頭の中で話すことをざっくり考えておくだけで、
楽しく話せる人もいるし、
一字一句、原稿をしっかり用意したけど、
緊張してうまく話せないこともある。
「うまく話さなきゃ!」
と思えば思うほど、
原稿に見入って慌ててしまい、
聞いている人が険しい顔になることがある。
思い切って、話してる途中に
聞いている人の顔を見てみよう。
そこで、話をしながら聞いている人の顔を見て、
相手の気持ちを汲み取りながら話すことをオススメする。
とは言っても、
「原稿読むのでいっぱいいっぱいなのに、
人の顔見てる余裕なんかないよ!」
と思う人もいるだろう。
たしかにそのとおりである。
だが、
「余裕が出たら人の顔を見る」
ではなく、
「人の顔を見て余裕をつくる」
という発想に転換するのである。
そう、どんな時でも、
聞いている人の顔を見る割合を
少しでも増やしていくのである。
人の顔を見ることで、
話す目的が見えてくる。
話している途中で聞いている人の顔を見ることで、
どのような良いことがあるのだろうか。
それは、聞いている人が今、
どんな気持ちなのかを汲み取ることができるのだ。
例えば、よく理解できないような表情であれば、
具体例を出して細かく説明するとよい。
興味津々な表情であれば、
ちょっとしたエピソードを出すことで、
その場が盛り上がるかもしれない。
このように、聞いている人の気持ちがわかれば、
それに合わせた話し方ができるようになり、
しっかり伝わり印象に残るお話ができるのである。
また、
「自分が話すことで、
聞いている人にどう感じてもらいたいのか?」
という話す目的を、人の顔を見ることで再確認できる。
事務的な説明であれば、
この部分はざっくりスマートに話して、
あの部分は詳細に話す。
何かの講演であれば、
最も伝えたいところで、
気持ちを乗せて、
引きこまれるような話し方をする。
このように考えても、
話し始めるといくぶんか緊張し、
その目的を忘れてしまうこともある。
そんな時こそ、
人の顔を見て、
「自分はこんな想いで話しているんだ!」
と目的を再認識し、
ゆとりを持って話すことができるだろう。
さいごに
人の顔を見て気持ちを汲むことは大切である。
ただ、表情を見てもわからないこともある。
表情1つ変えずに真顔なままな人がいたら、
(自分の話、おもしろくないのかな?)
と思うかもしれない。
でも、実際は、聞いている人の心の中では、
とっても感動しており、
話をしっかり聴きたい気持ちから、
表情を変えずに真顔なままなのかもしれない。
表情である程度の気持ちはわかると思うが、
さらに一歩踏み込むのもいいだろう。
「ここまでで何か質問はありますか?」
「この部分は皆さんご存じだと思うので、
簡単な説明で大丈夫ですか?」
のように、聞いている人に投げかけて、
気持ちを探るひと手間が、
話す人と聞く人の温度差を埋めていけるだろう。
ぜひ、聞く人に関心を持つように、
話すことで距離が縮まるような、
人前で話すことに前向きに
臨んでいけるようになれば幸いである。